福岡県 飲食店Uのケース
飲食店Uは、建設業を営むオーナー様が、友人からの相談を受け購入したレトロ風居酒屋でした。
飲食店の経験がないオーナーは、自らが奥様と接客に立ち、一方で調理師を雇い入れ、家族経営的にお店の運営をしていたのですが、毎月の収支を見てみると、何とか従業員の給料は払えているものの、自分たちの取り分はなく、タダ働きのような感じ。
どうしたものかなと当社に相談があり、経営診断/支援を行うことになりました。
以下、弊社が行った改善手法の一部をご紹介します。
- 販売管理
U店では、テーブルごとに手書きの伝票(市販の一般的なものです)を書き、レジで精算を行っていたのですが、伝票に記入する情報を増やすことにしました。具体的には、
①男女の別、人数、リピーターか否か、リード(何を見て来店したか)
②ドリンク/フードの別
③入店時間、退店時間
程度のものです。 - 分析
前記の伝票を1ヶ月分集計し、様々な角度から検証を行いました。例えば、
・滞在時間と売上高の対比
・ドリンク/フードの割合と、男性/女性の割合の散布
・商品別原価の分析
・新規/リピーターの滞在時間、利用金額、フード/ドリンクの別
・曜日別の売上高、来客傾向
などになります。
これらのデータから仮説を立て、検証を行います。例えば、
・販売実績から拾い出されるメニューの組み合わせについて、高利益の商品を潜ませる
・天候により来客数が変動するので、常連客のコミュニティ(SNS)を作り、天候に応じ割引情報を発信
・店休日の設定も、売上傾向から設定(ムダな光熱費等の削減)
などといったものです。 - PDCAサイクル
上記のようなデータ採取/検証を繰り返すことで、自然発生するPDCAサイクルと、月次決算(たとえ零細企業であっても必ず行うべき)とを対比し、プランの成功/失敗から、次のアクションプラン(継続/廃止/新規)を作成、検証を行う。
上記のようなサイクルでコンサルティグを行うことで、U店では毎月の利益を確保することが出来るようになり、当初の目的を達することが出来ました。
また、このケースでは、個人商店であり、高額な顧問料は払えないという内容から、当社としては1ヶ月に1度のミーティングと方向指示を行うに留め、基本的には当社が最初に作成した方針及びプランに従い、お客様自身で作業を行って頂き、我々はレビュー/分析のみを行うという方針で関与させていただきました。
結果、採算を確保したU店とは友好的に顧問契約を完了し、現在も元気に経営を続けておられます。
当社としても満足の行くイグジットを行うことが出来、現在では顧客の立場からU店に貢献させて頂いております。